盆栽と聞いてまずイメージする言葉は「じじむさい」。失礼しました。でも昔から盆栽は年輩の方の趣味と思っていました。使われる木も松や梅などザ・日本といったイメージの木が主でしたし。もちろん今もそれはそれで素敵なのですが。それらを、小さいながら大木と変わらないほどのきれいな形に作り上げるその技を競うもの?そんなふうに思っていました。
しかし、年輩の方たちも今やスマホを使う時代です。それに若者と変わらぬ方面への好奇心を持ち続けてらっしゃる方も多いです。ということで、いっとき盆栽の人気はすっかり落ちてしまいました。しかし日本の文化がクールだと注目され、日本を訪れる外国人観光客によって盆栽人気が再燃し、今またブームとなっています。
それに押されるかのように、外国人だけでなく若い人たちの間でも盆栽に夢中な人たちが増えています。結果、盆栽が目指す形も変わり、そのイメージも少しずつ変わっていくのはと思われます。
その証拠のひとつに世界中で話題の「AIR BONSAI」なるものがあります。天空の城ラピュタを想像させるその姿、盆栽自体は本物だけになんとも不思議ながら魅力です。空間を浮く秘密は磁石だそうですが。
これは、盆栽の姿作りに本気で取り組んでいる人にとっては邪道かもしれませんが、盆栽の人気が上がりたくさんの人に体験されたからこそ出てきたアイデアでしょうから、盆栽自体の知名度が上がっている証拠ではあるでしょう。
これをきっかけに盆栽を知り、その奥深さを極めたい人が出てくるのであれば、日本人としては少し嬉しいことですね。
盆栽のおもしろさは手軽さと長さ
ミニ盆栽が流行っていることからもわかるように、その手軽さがブーム再燃の火付け役になったようです。それまでは盆栽といえば、小さいながら立派な枝ぶりを競うものであり、やはりある程度の大きさはありました。鉢ごとでは一人ではとても持ち上げられない大きさ。盆栽展でも運ぶには台車が必ず必要なサイズでした。
しかし今人気のミニ盆栽であれば、女性でも簡単に運べる大きさです。が、その木の種類は本格的で、黒松、五葉松などももちろんありますし、桜などもじょうずに世話をすれば毎年立派な花を咲かせられるとのことです。
小さいながらその姿は大木と変わらないものなので、家の中でそれを眺めるだけで外で雄々しく立つ姿をイメージでき、鑑賞を楽しみ人たちも多いです。心が開放されるという声も多き聞かれます。また花と違い、長い付き合いができるのも魅力です。
盆栽士という認定資格試験があります
日本デザインプランナー協会では「盆栽士認定試験」が実施されています。この協会は特にデザイン関係に力を入れさまざまな認定試験を行っており、デザインという一般の人には判断しにくいスキルの水準を示すことにより、企業側からの人材採用に役立ててもらうことを目的としています。
盆栽と企業ということであれば、ホームセンターなどが身近ですが、外国人に向けての日本文化発信をてがける企業などであれば、こういった資格を持つ人は優遇されることでしょう。アピールする材料としてはこういう公の認定資格は必要ですね。
実際の試験の内容は、盆栽の歴史、盆栽に使う樹種の知識、海外での盆栽のあり方、盆栽に使われる土・鉢・肥料・苔・灌水・剪定の種類や剪定を行う季節・針金かけ・植え替え・菜摘みの種類や樹種ごとの菜摘みの方法・葉刈り・病害虫の種類と対策・月別の管理方法・盆栽用語などの知識についてです。広いですね。
盆栽は鑑賞して楽しむのが目的なので、器である鉢の知識も必要です。またインストラクターとして指導する立場となれば、盆栽の手入れだけではなく、盆栽の選び方・買い方などの知識も必要になります。
盆栽士として活躍し、自宅やカルチャースクールなどの講師活動をするときにはぜひこの資格認定試験に挑戦し、自分の知識を確認するとともに、自分のスキルの証拠として公の認定をうけ、アピールする武器としてください。