エクステリアの意味は皆さんご存知ですか。ん~玄関まわり?そうですね、でもそれはエクステリアのほんの一部です。
インテリアに対する外を表すエクスがついたエクステリアは外回り全体のことで、玄関だけでなく庭や外壁など外側すべてを指します。インテリアが常日頃からよく目にし、共に長い時間過ごし、自分を満足させるものである一方、エクステリアは自分というよりも外の人に向かって表れている部分なので、どちらも家に関するものではありますが、そこを設計する際の目的は自ずと変わります。そしてその設計いかんで心理面への影響も変わってきます。
家は一生に一度のものですし、エクステリアはインテリアと違って簡単に作り替えることができないので、そのデザインはできれば人任せにせず、自分でも勉強し相談の際、主張もできた方がよいと思います。専門家は採光や風通しを考え、庭の位置、木の配置や種類なども含めてアドバイスするので、それを取り入れつつ、こちらからの提案もきちんとしていきたいものです。
満足のいったエクステリアは、外へ向かう自分自身を勇気づけ、自信を持ってまわりの人に接していくことにつながります。
エクステリアが心理に及ぼす影響
日本の庭は内に向かうものが多いですが、洋風の家が増え、庭の形も変わってきました。自分たちが楽しむというより、道行く人々にも楽しんでもらうといった庭が増えてきています。内と外をきっちり分けることもよいですが、内に外の人たちも気軽にオープンに受け入れるという意味では、エクステリアに気を遣い、外とのつながりを作ることはよいことだろうと思います。
しかし外にばかり目が向けば、自然と内はおろそかになります。外を気にするあまり、家の中の問題には無頓着になります。
逆に外回りは放っておくが、家の中は快適というのも極端にしすぎれば問題です。人は皆、社会の一員なのですから、隣り近所という小さな社会の中でのレベルにも気を配ることは、社会人として、大人として必要です。まわりとの調和も考える必要があります。そうできてこそ、社会にも受け入れられるというものです。
つまりは、すべてバランスなのですね。家の中と家の外、どちらとも自分にとって心地よい関係が築ければ、満足が得られ、精神も安定してきます。
内と外の関係以外にも、自然との関係もあります。エクステリアのデザインや材質などによって、採光や風通し、空気の清浄さが変わってきます。こういったことは実際に住んでみてわかる場合が多いですが、家は一度でき上がってしまうとなかなか手直しもできないものなので、人が生きるのに大切な自然とのお付き合いもうまくできる設計・デザインにしたいものです。
自然との付き合いがうまくできていない、つまり暑すぎる、寒すぎる、明るすぎる、空気がよどんでいる、そんな毎日の文句は日々への不満にもつながります。あまりに悪条件の場合は、長年の蓄積により身体の不調を起こし、その末に病気を招くこともあり得ます。
こう考えていくと、インテリアだけでなくエクステリアの心理面への影響は思いのほか大きいことに気が付くでしょう。
エクステリア心理士とは
エクステリア心理士認定試験を実施している「日本インストラクター技術協会」のサイトによると、この試験に合格するということは、心理の面からの相談援助知識、エクステリアに関わる倫理、心理アセスメント、チーム医療、地域精神、心理的アドバイスなどを十分に理解したと公に認められたことになるとのことです。
もちろん自分のために勉強し、目標としてこの認定試験に合格することを目指してもいいですが、資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。ご自分の経験を活かし、多くの方によきアドバイスをし、頼りにされ、喜ばれる仕事です。